北朝鮮船 16隻、保険加入で入港許可 契約会社に疑念も
政府は二十五日、三月一日に施行される改正船舶油濁損害賠償保障法で、日本に入港する際に必要となる船主責任(PI)保険に加入し、入港許可を申請した北朝鮮船十六隻すべてに対し、保障契約証明書を交付。入港を認めることにした。この中には、四月の入港を目指しているとされる貨客船「万景峰92」は含まれていない。しかし、北朝鮮船が契約を結んだ保険会社に対しては、船舶業界関係者から補償能力などに疑念の声が相次いでおり、実効性に早くも疑問符がついている。
今回、入港可能となった十六隻は冷凍船七隻と貨物船九隻で、保険契約を結んだのはすべてニュージーランドの保険会社「MMIA(NZ)」。国土交通省によると、同社は英国、インドネシアのタンカーの保険に実績があり、政府は外交ルートを通じて両国に北朝鮮船が契約した保険の内容を確認。真正に発行されたものと判断し、証明書を発行した。
しかし、関係者によると平成十五年七月、南太平洋で同社関連とみられる会社の保険に加入した台湾漁船が日本漁船と衝突した事故では、日本側は補償を受けることができず、訴訟になったことがあるという。
同法施行で、燃料油による油濁損害や船体の撤去費用などを補償するPI保険に未加入の百トン以上の船舶は国内港への入港ができなくなる。国土交通省の調べでは、北朝鮮船の保険加入率はわずか2・5%で、世界中で最も加入率が低い。このため同法が「北朝鮮に対する事実上の経済制裁になりうる」(自民党議員)との期待もあったが、今回、一気に十六隻の入港を認めたことで、その効果も薄れるとの指摘がある。
細田博之官房長官は同日の記者会見で、「保険などの要件が整えば、(北朝鮮船に限らず)グローバルに交付する仕組みなので、これに従って国交省が判断した」と説明した。
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/seiji/20050226/m20050226002.html
万景峰は阻止したけれど、この法律の主旨である補償能力が欠如しているのでは意味が無いようにおもいますけど?