朝日新聞の捏造報道への見解
http://www.furuya-keiji.jp/activity_diet/17_01_19.html
「改変」されたとされるNHK特集番組についての見解
平成13年に放映されたNHKの特集番組「ETV2001 戦争をどう裁くか」が安倍・中川両衆議院議員による政治圧力で「改変」されたとする朝日新聞の報道(1月12日朝刊)をめぐり、議論が起こっている。これはわれわれ「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の活動にも密接に関わる議論であり、当会としても無視できるものではない。当会としての見解を明らかにしたい。
1、まず、この番組については、放映の数日前から永田町界隈では話題になっていた。「女性国際戦犯法廷」の内容が既に前年12月の開催時から朝日新聞を中心に大々的に報道されていたし、これが特集番組として取り上げられるとする番組予告もNHKの公式ホームページでなされていたからである。これを見て反対派がNHKへの抗議に動き、またインターネット掲示板でもこの番組に対する議論が行われていたのである。
2、朝日報道によると安倍・中川両議員はNHK幹部を議員会館などに「呼び付けた」とされる。しかし、これについては両氏が「先方から説明に来たのであって、当方から呼びつけた事実はまったくない」と反論している。この点についていえば、その頃当会議員数名を含む自民党関係議員の所にもNHK幹部が、やはり向こうから説明に訪れており、これは安倍・中川両議員の主張と符合する。用件はやはりNHK予算についての幅広い説明であり(これは毎年行われているものである)、その際NHK側から「当番組については内部から問題視する意見があり、いま修正をしている」といった説明があったことも同様である。
3、このNHKの説明に対し、それを受けた議員の誰一人として「変えろ」などと圧力をかけた事実もないことはいうまでもない。ただ、NHKは公共放送であり、とりわけ報道に「公正・中立」を求められる立場にあるとの認識は当然にあり、NHKがその立場から番組の内容について格段に意を用いるべきはきわめて当然のことと考えていた。放送法の第3条の2には「政治的に公平であること」とあり、また同条の4には「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」とあるからである。
※尚、当会議員数名は2月9日に行われた党総務部会において、出席した海老沢N HK会長にこの番組の内容につき強い抗議の意思表明を行った。しかし、これは番組放映後のことであったことは改めていうまでもない。
4、そのような立場からすると、今回この問題がこのような「圧力」の有無一辺倒の、一方的な取り上げ方をされていることに大きな不審を感じざるを得ない。むしろ問題とされるべきは、伝えられるような異常な内容の番組が製作段階とはいえ現に作られていたことであり、もしこれが問題となっている「修正」もなしに放映されていたとしたら一体どうなっていたか、という問題である。一方的な政治的主張――例えば、昭和天皇は強姦と性奴隷強制の罪により有罪、などといった主張――が、事実の検証も当事者の反論もなしに報じられた筈なのである。これをしも「報道の自由」というのだろうか。各マスコミはこの点についての自社の見解を明らかにすべきである。
5、1月12日の朝日報道については、陰湿な政治的意図を感ずる。13日に記者会見したNHKの長井暁チーフ・プロデューサーの横に座っていた弁護士は朝日の顧問弁護士であったし、その報道はことさらに安倍・中川両議員を「決め打ち」するものであったからである。既に指摘したように、NHK幹部は関係議員にも説明に行っているのであり、なぜそれが両議員だけの問題になったのか、疑問はいや増すばかりである。
6、と同時に、ここで注意を喚起しておきたいのは、「女性国際戦犯法廷」が開かれる数ヶ月前からこれに関心を示し、特集番組で取り上げる方向で動いていたNHKの現場と、それに法廷の開廷前から起訴状などの重要資料を見せるまでして製作に協力していた主催者側の「密接ぶり」である。のみならず、朝日は数回にわたりこの法廷のことを社説も含めて報道するという際立った「協力ぶり」を示しているのである。法廷の主催者代表であった松井やより氏が元朝日記者であったことはいうまでもないが、同様に主催者には現NHKエンタープライズ幹部(エグゼクティブプロデューサー)である池田恵理子氏が名を連ね、それどころか池田氏はこの法廷記録の「責任編集者」さえ努めたのである。つまり「取材する側」である池田氏自身が「取材される側」でもあったという不可解な構図である。こうした相互の「密接過ぎる」構図が、この番組製作の出発点となり、更に今日までこの問題に固執する朝日の報道姿勢になったであろうことは想像に難くない。こんな構図でどのように報道の「公正」を保つというのだろうか。
※尚、この池田氏は「ビデオ塾」というものを主宰しているが、女性法廷の記録ビデオ「沈黙の歴史を破って」はこの「ビデオ塾」が作成してもいる。
7、前記したように、朝日新聞は安倍・中川両議員がNHK幹部を「呼びつけ」「圧力をかけた」とする報道を行った。ところが、この報道が「捏造」だとする両議員の反論、及び彼らが取材源とした当のNHK幹部から「そのようなことをいった覚えはない」とする反論を受けるや、今度はかかる報道の過ちを自ら認めるどころか、むしろ「政治とNHKの癒着」という新たな問題へと論点をすり替え、自らの歪曲報道の隠蔽を図ろうとしている。その不誠実、意図的な政治姿勢に強い疑問を覚える。その上、安倍議員からの反論・説明要求に対し、一切の回答を行っていないのである。
8、いずれにしても、かかる一連の報道はあえて安倍・中川両議員を標的とする、陰湿な政治的意図によって捏造されたものだと断じざるを得ない。当会としてはそうした一方的な姿勢に対し、あくまでも事実と良心に基づく公正な報道を求めるものである。
平成17年1月19日
日本の前途と歴史教育を考える議員の会