
高砂義勇兵彼らは、先祖伝来の「蕃刀」をもって、ジャングルを切り拓き、台湾山地の密林で培われた鋭い感性をもって深い密林の中で日本軍の先頭に立った。そしていざ会敵すれば、日本軍兵士に優るとも決して劣らぬ勇敢さで敵に敢然と向かっていったのである。
高砂族のある古老は日本語でこう語ったという。「我々は台湾に来たオランダにも鄭成功にもそして清国に対しても屈従しなかった。しかし日本だけは別だった。それは大東亜戦争の魅力には勝てなかったからだ」

■高砂義勇兵のエピソード
過去から現在を通じて世界最強の傭兵と謡われる英国特殊部隊・王立グルカ連隊。高山に住むため肺活力がある、ネパールのグルカ族により構成された傭兵団だ。彼らは、ククリ(グルカナイフ)と呼ばれるマチェットを駆使し、多くの戦場を縦横無尽に駆けて敵兵を狩りまくった。 そんな彼らの最大のライバルが、日本帝国陸軍に所属していた、高砂義勇兵である。台湾の先住民族の志願兵により構成された高砂義勇兵は、日本軍が苦戦していたグルカ兵の待ち伏せや奇襲攻撃に対して斥候を買って出た。逆に樹上で逆待ち伏せをして撃退したり、夜間の斥候でグルカ連隊の意図を察知したり、ジャングル戦でグルカ兵と対等に戦った部隊である。 山地でのサバイバル能力に長けた彼らは、ジャングルでの行軍が不慣れな日本軍の先頭に立って密林を切り拓いたり、 いつ敵の襲撃があるか知れない状況の中、負傷した上官を病院船まで運んだりと、己を顧みず奮戦した。彼らの忠誠心と純朴さは際だっていたという。 「戦友に食べさせる食糧を探しに出たまま所在不明になった高砂義勇兵が、後にジャングルで遺体で発見されたとき、両手に食糧を抱えたまま「餓死」していた… どんなに腹が減っても戦友の食糧には手をつけず、帰り道を見失う中で餓死してしまったというのだ」(産経新聞「日本人の足跡」第203回)
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