「文句を言うだけじゃなくて、自分が日本をどこまで変えられるか、やってみたら?紛争地の人たちにも、そうやって自分の人生を切り開くように伝えてきたのだから」
久しぶりに読む価値のある本に出合えた感じ。
職業は武装解除 瀬谷ルミ子
http://www.amazon.co.jp/%E8%81%B7%E6%A5%AD%E3%81%AF%E6%AD%A6%E8%A3%85%E8%A7%A3%E9%99%A4-%E7%80%AC%E8%B0%B7%E3%83%AB%E3%83%9F%E5%AD%90/dp/4022507462/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1321676099&sr=8-1
これはオススメできる一冊です。
どこかの募金詐欺日本ユニセフのような団体でもなく、難民キャンプで写真を撮って戦場カメラマンと自称するどこかのタレントの話でもありません。
「武装解除」とは、和平後、武器を持って戦うことしか知らない兵士たちから武器を回収し、職業訓練を施して社会復帰させる仕事。
アフガンでは日本の外交官として軍閥解体に携わっていたり、シエラレオネでは国連PKOに参加したりと、面白い経歴の持ち主です。
この人の話は共感できる部分が多い。
例えば
私たちは、基本的に住民たちをあまり被害者扱いしない。一時の過剰な善意が、ときに「援助慣れ」を生み、人々の立ち上がる力まで奪ってしまう現場を、過去にいくつも見てきたからだ。私たちができるのは、彼らが自力で歩き出せるようサポートすることだ。無理をして一度に大量の支援をしてそれきりになるよりも、自分達ができる範囲で、相手が自立できるまでの節目節目に必要な協力をすることが必要だと思う。だから、その日に感謝されることよりも、数年後に振り返ったときに、「あのときは難しいことを言う人たちだと思ったけど、あれでよかった」と思ってもらうことを目標にしている。
和解というものは、当然のことながら強制されるべきものではない。
ソマリア、アフガン、シエラレオネとさまざまな紛争地帯での活動を経験して手に入れた思想だから説得力がある。
なぜその結論に至ったのか、読んで欲しい一冊。