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韓国石油公社のクルド油田開発、事実上の失敗原油ほとんどなし、巨額の損失
韓国石油公社がおよそ4億ドル(約310億円)を投じて進めてきたイラク北部のクルド石油開発事業だが、探査の結果、事業性がないことが分かり、最終的に失敗したことが明らかになった。2008年2月、李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時は大統領当選者)は来韓中だったクルド自治政府のバルザニ議長と現地での石油開発に合意し、同年6月に正式に契約した。当時、この地域の原油埋蔵量は、韓国全体の2年分の消費量に相当する19億バレルに達すると宣伝され、現政権による資源外交の大きな成果とされてきた。
国会知識経済委員会所属で与党ハンナラ党の李鶴宰(イ・ハクチェ)議員は15日、韓国石油公社から提出を受けた資料に基づき、石油公社がクルド地区で開発を進めている五つの油田開発事業の探査結果を公表。資料によると、原油が存在しないか埋蔵量が非常に少ない、あるいは原油ではなく水や少量の天然ガスしかないといったケースばかりで、経済性がほとんどないことが分かった。この結果、石油公社は契約締結と同時にクルド自治州に支払った「署名ボーナス」の2億1140万ドル(現在のレートで約162億円、以下同じ)と、その後に投じられた探査費用1億8868万ドル(約144億円)を合わせ、計4億ドル(約310億円)近い損失を出した。
http://www.chosunonline.com/news/20110916000046
油田開発:夢と消えた19億バレルの原油クルド地区での油田開発に失敗
イラク北部クルド地区の原油開発事業は、2008年前半に李明博(イ・ミョンバク)政権が力を入れてきた資源外交の最初の成果として大きく報じられたが、3年が過ぎた今、逆に4400億ウォン(約303億円)もの巨額をどぶに捨てた資源外交失敗の事例として記録されることになった。韓国石油公社は9月末までにボーリングを引き続き行うか結論を出す予定だが、技術面での評価では否定的な見方が支配的なため、探査を早期に終了させる可能性も出ている。
■契約当時「2年分の原油を確保」などと宣伝
2008年2月14日、当時の李明博大統領当選者はソウル市鍾路区通義洞の事務所で、来韓中だったクルド自治政府のバルザニ議長に会い、その席でクルド原油開発事業に強い関心があることを伝えた。バルザニ議長は李当選者と会った直後、韓国石油公社を中心とするコンソーシアムとクルド油田開発事業に関する覚書を取り交わした。
本契約は同年6月にイラク北部のアルビルで正式に調印された。契約内容によると、探査に成功した場合、韓国側は五つある鉱区から19億バレルの原油を受け取り、その見返りとして21億ドル(約1610億円)規模とされるクルド地域での社会基盤整備を行うというものだった。当時、石油公社の関係者は「穴を掘るだけで原油が飛び出してくるだろう」「韓国の年間石油消費量の2年分に相当する原油を確保した」「エネルギー資源の確保はもちろん、クルド地区での大規模社会基盤整備事業にも進出できる」などと宣伝し、一石二鳥の効果を強調していた。
クルド地区での油田開発に失敗
しかし覚書を取り交わした直後から「原油の埋蔵量も確認されていない地域だ」との批判が相次いだ。クルド地区の原油埋蔵量は、イラク全体で確認されている埋蔵量全体のわずか3%との主張もあった。2007年末に韓国石油公社とSKエナジーは同じクルド自治区内のバジアン鉱区などで、クルド側と共同で油田開発に乗り出したが、この時はイラク政府が「中央政府を排除した契約は無効」と主張し、SKエナジーに対して原油の輸出を差し止めるなどの摩擦が発生した。このような状況で李明博政権がクルド地区の油田開発に力を入れた理由は、この地域は世界の石油メジャーの関心が小さく、また社会基盤整備を通じてクルド地区再建事業にも関与できるという計算があったものとみられる。
■クルド自治政府は12億ドルの現金を要求
韓国石油公社はクルド地域の社会基盤整備に向け、現代建設や双竜建設など7社のゼネコンと共同でコンソーシアムを立ち上げた。しかし2008年10月、ゼネコン7社は2兆ウォン(約1400億円)の資金を調達する方法がないという理由でコンソーシアムから脱退した。その結果、石油公社は社会基盤整備を単独で行うことになったが、事業を進めるノウハウも建設を行う技術もないため、資金調達計画も取りまとめられることなく、事業は一向に進んでいないという。
韓国石油公社は2008年の契約当時、五つの鉱区全てで原油が発見されなかった場合、6500万バレルの原油を見返りとして受け取るという条項を入れた。しかし石油公社が国会知識経済委員会の李鶴宰(イ・ハクチ】ェ)議員=与党ハンナラ党=に提出した国政監査用の資料によると、クルド自治政府は社会基盤整備事業が進展していないことを口実に、石油公社側に譲渡することになっていた6500万バレルの原油を2000万バレル(約20億ドル=約1534億円)にまで減らし、さらに社会基盤整備に関しても事業規模を7億ドル(約537億円)にまで縮小する代わりに、12億ドル(約920億円)の現金を支払うという内容へと契約の変更を求めてきた。これまで投じた資金や今後必要と予想される額を考えると、クルド側の要求を飲めば韓国側に大きな損害が出るとの指摘も相次いでいるが、石油公社はクルド側の要求を受け入れ、契約内容を変更する方向で検討を進めているという。
国政監査資料によると、石油公社は今年7月末から8月初めに行われたイラク政府による油田開発事業入札資格の事前審査で脱落していたことが分かった。李鶴宰議員は「原油探査の失敗、社会基盤整備事業の縮小、イラク政府とのギクシャクした関係など、石油公社は数千億ウォン(1000億ウォン=約70億円)もの巨額を投じながら何一つ手にしていない」「今回の原油開発で政府と石油公社は、事業の妥当性を確認する前から、資源外交の成果を誇示することばかりに力を入れた。今回の失敗は、このような性急さがもたらした、まさに典型的なケースだ」などと非難した。
http://www.chosunonline.com/news/20110916000048
http://www.chosunonline.com/news/20110916000049
ええと、これは得したのは誰?
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