糸が足りない
ものをつくる上で、材料がなくては、ことは始まらない。その材料を取り巻く環境が日本のファッション業界で変化し始めている。糸が高騰し、なおかつ不足している。特に綿やカシミヤ、ウールなどの天然素材の値上がりは、国内のファッション商品のデフレ傾向の中においては違和感を覚えるほどだ。
原因は、自然環境の変化と人為的な要因とが、絡み合っているようだ。例えばカシミヤの場合、昨夏の猛暑による影響でカシミヤヤギが大量に死んでしまった。また、ヤギの飼育労働者が、より収入の多い別の職業へ転職している。そのために、原毛自体が少なくなり、糸値が高くなってしまっていると聞いた。
その上、国内の生産量が減少している日本のファッション産業では、仕入れ量が中国など他国に対して劣勢となってきていて、材料を確保すること自体が難しいという。そういうことが重なって、製造現場に負のスパイラルが生まれている。
そして、その影響は当然ながらファッションの小売りの現場へとつながっていく。更にかみ合わない歯車が回っているのだ。
売り場では、まだ暑くもなっていない夏前に秋の新作が並ぶ。そろそろコートが欲しいと思う頃に街では冬物のセールが始まる。業界はお正月に福袋の売れ行きが良かったと喜ぶが、好きな物を選んで買うのではなく、安さをアピールした物を詰め込んだ福袋がどんなに売れようと、つくり手はむなしいばかりではないだろうか。
つくられた背景に人の思いが及ばなくなると、使う人は物を尊ばなくなる。それではゴミが生まれるばかりだ。「売れたら何でもいい」というわけではない。もう一度、人の手と気持ちを込めて物をつくる場と、物を大切にする生活のサイクルを取り戻したい。間に合わないかもしれないが、あきらめたくない。(ファッションデザイナー)
http://www.asahi.com/fashion/column/design/TKY201101280298.html
これマジな話。
綿もカシミヤもウールも高騰しています。
それと分かるほど値段に反映されるのはまだなのかな?
でもいずれガツンと来るのは間違いありません。
というわけで、今のうちに流行に左右されないようなデザインで質の高いものを揃えておく事をお勧めします。