真央復活!ホッとする人々 世界選手権代表決定(夕刊フジ)
フィギュアスケートの全日本選手権は26日、長野・ビッグハットで行われ、女子はバンクーバー冬季五輪5位の安藤美姫(23)が6年ぶり3度目の優勝を飾った。大スランプに陥っていた同銀メダルの浅田真央(20)は2位と復調。3位に入った村上佳菜子(16)までの3人が来年3月に東京で行われる世界選手権の代表に決まった。人気の浅田の代表決定に関係者は、一様に胸をなで下ろした。(夕刊フジ編集委員・久保武司)
世界選手権の女子代表選考については、今大会前までは「浅田は絶対に無理」という声が圧倒的だった。浅田陣営のたっての希望で9月から浅田担当に急きょ就任した佐藤信夫コーチ(68)も「まさか、ここまでくるとは…驚きです」と浅田の土壇場の力に驚きを隠さなかった。
シニア大会に参入した15歳の時から世界を席巻してきた浅田の命綱はジャンプの高さだった。しかし、今季は軒並み転倒。「(踏みきりの)スピードを上げると体の重心が上下にブレる」(佐藤コーチ)欠陥が指摘された。失敗が続くと、今度は踏みきりでスピードが急激に落ちるという悪循環。「練習ではできるのに」と浅田は悩み抜き、大スランプに陥っていた。
佐藤コーチは男子で世界選手権初出場を勝ち取った小塚崇彦のコーチを優先しなければならない時もあった。しかしそこで、小塚の父である嗣彦氏が代役で臨時コーチを務め、浅田の「ジャンプ改造」と「心の修復」をアシストした。
嗣彦氏は1968年グルノーブルオリンピック男子シングル日本代表。佐藤コーチは60年スコーバレー、64年インスブルック五輪に出場し、65年の世界選手権では4位。全日本選手権前人未到の10連覇の最多記録を持ち、今年2月には世界殿堂入りしている。この強力コンビが日本スケート界の威信をかけ、真央の改造を急ピッチに進めていた。
本来なら五輪イヤーは五輪本番後は休養する選手が多い。バンクーバー五輪金メダリストの金妍児(キム・ヨナ)もその一人だ。しかし、浅田は今季もフル出場を決意。しかし、練習量不足がたたり、10月に地元・名古屋で行われたNHK杯では自己最低の8位と大惨敗。11月のフランスGPも5位に終わっていた。
世界選手権の切符がかかった今大会では優勝した安藤美姫が難度の高いジャンプを回避する一方で、浅田は佐藤コーチに「跳ばせてください」と失敗続きのトリプルアクセルを跳ぶことを直訴。ショートプログラム(SP)で今季初となるトリプルアクセルを成功させた。
自ら「負けず嫌い」という性格が実を結んだ形になった。フリーでもトリプルアクセルを跳んだ浅田は「今できる演技ができてホッとした」とようやく笑顔も戻った上に「まだ、自分は強くなっていく」と自信も戻ってきた。
ホッとしたのは浅田だけではない。なにしろ世界選手権出場が絶望視される中で決まった出場権だ。テレビ中継するフジテレビでは「真央ちゃんの出場が決まってホッとしている。数字(視聴率)も注目度も全く違ってきますから」とニンマリ。また浅田のスランプで、CMの放映を休止していたスポンサーもあったが「世界選手権の出場が決まれば別」と一気に復活傾向。加えて新たなCMのオファーを検討するスポンサーが「複数あります」と話す関係者もいる。
日本スケート連盟の橋本聖子会長(45)は浅田といえども「特別扱いしない」ことを明言していたが、大会5連覇こそ逃したものの、2位の好成績に満場一致で浅田の代表入りが決まった。
本来なら今季好調を維持していた鈴木明子の代表入りが有力だったが、結局は浅田が大逆転した。フィギュアの世界では、ベテランに入る20歳になった浅田。やはり“何か持っている”スケーターだ。
確かにほっとしたな。エキシビジョンもキレイだった。
ジャンプよりむしろスピンが顕著に良くなった感じ。
次はキムヨナと直接対決だと騒いでいるようですがー。
今頃必死にダイエットしてるんじゃないかなあ。