<参院選>民主大敗44 与党過半数割れ 自民、改選第1党(毎日新聞社)
第22回参院選が11日投開票された。民主党は04年の50議席に及ばない44議席にとどまり、自民党の51議席を下回る大敗となった。自民党は「改選第1党」に復調。みんなの党も改選第3党となる10議席に躍進し、民主党は国民新党との連立与党で過半数を割り込んだ。菅直人首相は12日未明、自身の消費税引き上げ発言について「十分な説明が不足していたことが大きな(敗北の)要因」と認めたうえで続投を表明。「もっと慎重に、しっかりとした議論を進める丁寧な扱いを国民が求めた」と超党派の消費税協議を呼びかけた。
野党が参院で多数を占める「ねじれ国会」の再現で政権基盤の弱体化は避けられず、首相は連立組み替えも視野に政策協議などの連携を野党に働きかけることになる。
民主党の44議席は菅首相が目標に掲げた「改選54議席以上」を大幅に下回り、参院での民主議席は非改選の62議席と合わせて106に減少した。連立を組む国民新党は議席を獲得できず、非改選の3議席が残った。同じく非改選の新党日本の1議席と合わせ、与党は110議席にとどまり、参院(定数242)の過半数(122)を12議席も割り込んだ。
参院の過半数確保には野党との連携が不可欠となるが、非改選も含め11議席に伸ばしたみんなの党だけでは、過半数に達しない。
勝敗は1人区で決した。民主は29ある1人区のうち27選挙区に公認候補を擁立したが当選は8人のみ。全選挙区に候補を立てた自民党は21勝8敗と大きく勝ち越し、6勝23敗と惨敗した07年から巻き返した。毎日新聞の世論調査では消費税引き上げへの反対が地方で強い傾向にあり、民主が1人区で大敗した背景に首相への反発があったとみられる。
選挙区全体で落選した民主現職は7人。比例では04年以来の「比例第1党」の座を守ったが、07年より4議席減の16議席にとどまった。自民は改選議席では第1党に立ったものの、比例は12議席で過去最低だった98、07年の14議席に届かず、本格的な党勢回復には至らなかった。
2人区は12選挙区すべてで民主、自民両党が1議席ずつを分け合った。民主は10選挙区で2人を公認したが、今回も「すみ分け」が続いた。3人区(埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪)と5人区(東京)の6選挙区でも民主は公認候補2人を擁立し、東京では蓮舫行政刷新担当相ら2人が当選、愛知でも2議席を獲得した。他の4選挙区では1議席にとどまり、神奈川では千葉景子法相が落選した
初の参院選に臨んだみんなの党は比例で7議席を確保し、東京、千葉、神奈川でも議席を獲得した。公明党は候補を擁立した東京、埼玉、大阪の3選挙区で3人全員が当選。比例は過去最低の89年と並ぶ6議席で、改選11議席を下回った。公明、みんなの両党は参院のキャスチングボートを握り、民主にとっては政策ごとの部分連合や連立組み替えを働きかける有力候補となる。
共産党は比例から東京選挙区に回った現職の小池晃党政策委員長が落選、比例の3議席にとどまった。社民党も比例で福島瑞穂党首ら2人の当選となり、両党は改選議席から減少した。たちあがれ日本と新党改革は比例で各1議席を獲得した。
07年参院選で民主党が大勝し、与党(自民、公明両党)が過半数を割ってから昨年の政権交代まで2年間続いたのが「ねじれ国会」。このときは与党が衆院で3分の2以上の多数を確保していたため、参院で否決された法案の再可決が可能だった。民主は衆院で300議席を超えるものの国民新などとの与党で3分の2には届かず、今後、野党の協力なしに法案を成立させられなくなる。
いくつか惜しかった所もあるけれど、欲を言ってはきりがない。
50議席超えは十分な戦果ですよ。うんうん。
次は比例で超えられるようにがんばらないとね。