国籍法改正が参院でストップ
組織による妨害工作の可能性も
婚姻関係にないフィリピン人女性と日本人男性の間の子どもの国籍確認を求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)は六月四日、父母の婚姻を国籍取得の要件としている国籍法三条の規定は法の下の平等を定めた憲法に違反すると判断し、原告の子ども全員に日本国籍を認めた(本欄六月一三日号で既報)。
判決の翌日には、鳩山邦夫法務大臣(当時)が国籍法改正の意向を表明し、改正案は一一月四日、閣議決定後に国会に提出された。最高裁の違憲判決を受けたことから改正に与・野党の異論はなく、衆・参それぞれ一日の審議で可決させることが合意されていた。
ところが、法案が提出された直後から、外国人排斥ともとれるような反対意見が法務委員や政党などへファクスで数多く寄せられた。そのため、一一月一八日の衆議院法務委員会の審議では、自民党や民主党の議員から法改正に慎重な質問が集中した。
稲田朋美議員(自民)は「最高裁から(判決が)出たんだから変えるのは当然だという無責任な考え方でこの改正をしてもらっては困る」と、驚くべき反対意見を展開。さらに「これは司法権による立法府への介入の恐れがあったのではないか」と続けた。
民主党の古本伸一郎議員は「真正なる日本人の血統」という言葉を繰り返し、偽装認知防止策を訴えた。質問に立った多くの議員が同様の質問を行なったが、法案は全会一致で可決、参議院へ送付された。
衆議院で可決されたにもかかわらず、反対派の議員は国会内で反対集会を行なうなど、この法案への反対を訴えていた。その中心メンバーが、平沼赳夫議員や稲田議員、山谷えり子議員ら、歴史修正主義者たちだった。
参議院では、自民党が強硬に慎重審議を主張し、これに民主党が応じたため、審議日数を二日とし、参考人から意見を聴取することになった。質疑終了後に採決されることになっていたが、自民党と民主党の話し合いで二七日の採決は見送りとなった。公明・共産・社民の議員は、民主党の態度に一斉に反発。二七日の委員会前の理事懇で結論は出ず、話し合いは打ち切られ、参考人質疑が始まった。
二人の参考人からは、DNA鑑定は人権侵害の恐れがあること、違憲審査が認められている以上立法権を侵害したことにならないなどと、改正反対派の主張に反論した。しかし、この参考人質疑後、参考人の意見を全く蔑ろにする質問が行なわれた。
新党日本の田中康夫議員は「すべての認知にDNA鑑定を義務付けるべき。偽装認知奨励法にほかならぬと懸念されている本法案は、人身売買促進法、小児性愛黙認法と呼び得る危険性をはらんでいる」とまで言い放った。まるで外国人を見たら犯罪者と思えと言わんばかりだ。田中議員はこの改正に反対し、独自の法改正案を主張。「国民新党の亀井静香代表代行や民主党の鳩山由紀夫幹事長からも法案修正を勝ち取って衆議院に差し戻してほしいと激励を受けた」と述べた。
この他、質問に立った山谷議員も慎重審議をするべきと、稲田議員と同様の質問をした。審議終了後、社民党の議員は「自民党だけでなく民主党の対応がひどかった」と怒りをあらわにした。
公明党議員は「過半数の民主党が採決すると言えばすぐにできた。民主党の千葉景子議員は速やかに採決をするよう主張したが、他の民主党議員に反対され孤立した形で気の毒だった」と語った。
今回の国籍法改正法案の審議過程で見えてきたのは、排外主義、歴史修正主義者が自民党だけでなく民主党、さらに市民派と言われる議員にも見られたことだ。
かつて薬害エイズの原告として闘い、市民派の支持を受けて参議院議員となった川田龍平議員も自身のホームページで反対を表明し、稲田議員らと同様の主張を行なった。
今回の改正は、胎児認知には国籍を認め、出生後認知にはさらに婚姻要件を課すことが憲法違反とされたのであり、婚姻要件を削除しただけの改正だ。さらに偽装認知の防止策として罰則規定を新たに設けているのだ。なぜ、法案審議が偽装認知の防止に集中するのか理解に苦しむ。
http://www.kinyobi.co.jp/backnum/antenna/antenna_kiji.php?no=419
意味分からん。
FAX凸は署名捺印の上で行われていたから、警察に届け出るまでもなく身元特定なんか簡単だろ。
とりあえず、この某議員とやらを特定しろ。