米兵少女暴行 ネットで被害者中傷
京の学生ら怒り 問うべきは基地集中の沖縄
沖縄で2月に起きた米兵による女子中学生暴行事件で、被害者が告訴を取り下げた後、京都市内で抗議行動を続ける大学生や沖縄出身者が怒りを強めている。「米兵について行った方も悪い」という中傷がインターネット上で続いているからだ。「問うべきなのは被害者ではなく、沖縄に基地が集中する現状だ」として京都沖縄県人会は、29日に市内で開く抗議集会への賛同を平和団体などに呼び掛けている。
■29日に集会京の県人会 賛同呼び掛け
「つらい証言を強いられ、耐え切れなくなったんだと思う。仲良くなりたいという心理に付け込んだ米兵の行為が批判されるべきなのに」。京都大大学院生の森亜紀子さん(27)=山科区=は告訴を取り下げた女子中学生が「もう、そっとしておいてほしい」と話したと新聞で知り、ネット上の中傷にあらためて憤りを感じた。
米軍基地の撤去を求める市民団体のメンバーとして今月1日、中京区の三条河原町でビラを配った。告訴取り下げについて「被害者を支えてこなかった社会の側に責任がある」とビラに記した。
沖縄の移民史を研究するため、同県うるま市で体験者の聞き取りを続ける。調査地は逮捕された米兵が所属する基地のそばだ。「米軍と地元の交流は国も後押ししているし、軍隊を格好良く見せる映画も多い。大人が作った現状を問わず、中学生に責任を押し付けるのはおかしい」と話す。
沖縄県石垣市出身の京都大3年上地耕司さん(24)=左京区=は「中傷が被害者を二重に傷つけた。被害者が悪いという人たちは、自分の住む場所で基地を受け入れたらどうか」と怒る。祖母は事件のあった北谷(ちゃたん)町の出身。基地建設のため土地を接収されて石垣島への移住を余儀なくされた。「土地を奪われて基地が造られ、事件が起きた。負の連鎖を断てないのがつらい」
京都沖縄県人会は、29日に沖縄から「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」を招いて開く抗議集会に、市内を中心に約30団体の参加を目指している。大湾宗則会長(66)は「沖縄に基地が集中する現状を黙認する人々にこそ責任がある。女子中学生は悪くないという当然のことを、しっかり確認する場にしたい」と強調する。
■沖縄県民大会の実行委結成
沖縄で相次ぐ米兵犯罪に抗議する県民大会の実行委員会が8日、那覇市で結成された。米軍基地の整理縮小や日米地位協定の抜本改正を日米両政府に求める方針を確認。超党派での大会実現を目指し、消極姿勢の自民党県連に参加要請することも決めた。
呼び掛け団体の一つ、県婦人連合会の小渡ハル子会長は結成集会で「戦後60余年、女性への暴行をはじめ米兵による事件事故で生活と人権を脅かされてきた」と強調した。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008030900020&genre=C4&area=K10
被害者も叩かれているだけで、誰も米兵が悪くないとは言っていないと思うぞ