授業前10分 教科書検定問題学ぶ/南風原高
【南風原】二十九日に開かれる「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の意義を学ぼうと、南風原高校(識名昇校長)は二十日から毎朝の「読書タイム」に、全学年約九百人の生徒が教科書検定問題などを取り上げた新聞記事を読む取り組みを始めた。二十八日まで続ける。県民大会には教諭らが「読書タイム」などを通して学んだ生徒のメッセージを書き込んだ横断幕を掲げて臨む。幅約四メートルの横断幕に、同校九百人の平和への思いを託す。(仲本利之)
高校生の視点で検定問題を考えようと、国語科の仲村将義教諭を中心に数人の教諭らが沖縄タイムスなどに掲載された記事をピックアップ。八時五十分から十分間の「読書タイム」に、黙読し各自で問題の背景などを考えている。
一年五組(担任・具志堅忠教諭)では二十一日、約四十人が、渡嘉敷島で起きた「集団自決」について金城重明さんの体験を紹介する記事などを読んだ。
上里真央さん(15)は「『集団自決』が起きたことを沖縄だけでなく、日本全体の問題として考えてほしい。本当に起きた事を正しく伝えていかなければ、次の世代は沖縄戦で何が起きたのか分からなくなってしまう」と危惧した。
一方、普段から新聞を読まず、あまり関心を示さない生徒もいるという。国語科の兼久直教諭は「もし自分の好きな彼氏が殺され、後で『殺しはなかったことになりました』と言われたらどう思うか?」と生徒らに問い掛ける。
「たとえ関心を示さない生徒でも、身近な人に置き換えて考えれば、無関心では済まされない事だと分かってもらえる」と話す。
同校は二十九日に学園祭を開く。生徒らが県民大会に参加できるよう学園祭の延期も検討したが、中間試験やインターンシップなど過密日程を抱え日程変更を断念した。県民大会には生徒らに代わって教諭らが参加する。
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709221700_01.html
もし一部の人たちの感情に配慮して殺人犯にされたらどう思うかも考えて欲しい。