【社説】大統領は北朝鮮の崩壊を心配している場合ではない
盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は一昨日、ニュージーランドで行われた現地在住韓国人との懇談会で「北朝鮮の崩壊を防ぐことが韓国政府の大変重要な戦略」と語った。そしてその理由として「北朝鮮は攻撃を受けたり崩壊したりしなければ、決して戦争を起こすことはない」ことを挙げた。
盧大統領はまた、「北朝鮮に対する人道的支援が国連安全保障理事会の決議によって中断しており、心配だ」と語った。それなら大統領は、北朝鮮政策に関して何を最優先に取り組もうとしているのだろうか。
国民は何より韓半島(朝鮮半島)の平和を望んでいる。北朝鮮の核を取り除くことが重要なのは、北朝鮮が核爆弾を手中に収めている限り、われわれはいつ韓半島に差し迫るか分からない国際情勢の荒波をかわし、危ういバランスの中で平和を維持するしかなくなるからだ。その時々に支払わなければならない負担も雪だるま式に増えていくことだろう。
こうした平和は、まるでガタガタ音を立てるポンコツ車を、今にもひっくり返りそうな容器を手に、水をこぼさないようにして走らせる状態に近い。これでは政治や経済がまともに機能するわけもなく、将来への希望や活力を期待することもできない。北朝鮮や金正日(キム・ジョンイル)体制がどうなるかは、現在差し迫った問題である北朝鮮の核開発問題が解決された後に考えても遅くない。
こうした現状を知らないはずがないにもかかわらず、大統領はいつも北朝鮮に核を放棄させる問題については話を避け、たまにやむを得ず一言二言触れる程度にとどめ、一方で北朝鮮が崩壊する可能性を心配している。この奇妙な優先順位は、大統領の胸の内を疑わせるだけだ。
盧大統領は北朝鮮の崩壊を災難そのものと見なしているが、どういう立場に立ってそうした決めつけを行っているのだろうか。北朝鮮の崩壊は金正日体制にとっては間違いなく災難だ。しかし苦痛にさいなまれている北朝鮮住民にとって、北朝鮮の崩壊が災難だとはいえない。
韓国の国民の立場も、それと同じだ。大統領は北朝鮮が崩壊すれば、北朝鮮が戦争を起こし、韓国国民にも災難となるかのように語っている。しかし多くの専門家たちは、北朝鮮が勝利に対する誤った見通しによって戦争を起こし、結果的に崩壊することはあっても、崩壊しそうだから戦争を起こすというシナリオはつじつまが合わないと指摘している。
北朝鮮の崩壊は、われわれが望めば実現するというものでもなければ、防ごうとして防げるものでもない。ただしわれわれには、どんな状況にあっても平和を守り、将来的には統一を成し遂げられるよう準備する歴史的義務がある。だが北朝鮮は、そうした方向性を核実験により完全に遮断してしまった。
大統領には北朝鮮の崩壊よりほかに、懸念すべきことがあるはずだ。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/12/11/20061211000014.html
多分北の崩壊による経済負担を心配しているんだろうけれど、核とどっちが大事なんだろ?