20日の自民党選挙で総裁に選出される事が確実視されている安倍晋三官房長官は、去る7月に『美しい国』という著書を通じて自分の考えとビジョンを発表した。この本を通じて彼は愛国心を強調しながら、中国とアメリカとの関係を詳しく書いた。
安倍長官は序文で、戦う政治家を志向すると明らかにした。また同じ故郷である長州(現・山口県)出身、開港期の改革政治思想家である吉田松陰の「自ら反みて縮(なお)くんば、千万人と雖も吾行かん」と言う言葉を引用しながら戦意を燃やした。身勝手な愛国心涵養者、復古主義者で照らされる安倍政権誕生が更に注目される理由である。
本は始終復古主義的立場である。郷土愛を強調して天皇制を擁護するのに熱心だ。しかし彼が志向する美しさとは敗戦以前の日本である。隣国に対する侵略や、それによる痛みを共感する事柄は捜しても見つからない。また日本の戦後社会はアメリカにより強要された物だったが、「戦後の日本社会が基本的に安全性を失わなかったのは、天皇の存在があったから可能だった」と力説する。
彼は平和憲法を日本人の手で変えなければならないと主張した。既に去る11日の日本記者クラブが主催した総裁候補のシンポジウムで、「5年以内に改憲する」と宣言した。それと共に過去の殖民支配と侵略戦争に対して痛切な反省とお詫びをするという(いわゆる)『1995年・村山談話』に象徴される日本政府の公式立場に対しても、「歴史家の判断に任せる」と曖昧模糊する事で一貫した。
また他の強調点は強い日本構築である。彼は第1章の『私の原点』で、「政治家として私の主な
テーマは安全保障と社会保障」と自己紹介をした。特に安全保障問題を取り上げながら対・北朝鮮への強硬策を主張して、靖国問題は国内問題と戦犯裁判を否認した。それと共に『自立国家』という用語を使用し、普通国家として自衛軍の存立と集団的自衛権を強調する。
安倍長官は強い日本の為に米・日同盟の大切さも力説した。これと共に日本とアジア、中国を取り上げて『開かれたアジア』を主唱する。この記述では自由・デモクラシー・基本人権などの共通点を持ち、インド・オーストラリアなどとの連帯を強調した一方、密かに中国に対する牽制を浮上させた。
韓・日関係は詳しく扱っていない。ただ「日・韓関係に対しては楽観している」、「両国の首脳が直接会って問題解決をはかるのが重要だ」と、その程度で書いた。彼から歴史認識など韓国からの問題提議に対する理解は伺えない。慶応大学の小此木政夫教授が、「安倍登場で韓・日関係に劇的な変化は無い」と言った背景がまさにこれである。逆に安倍長官は、「アジアの平和と安定、そして発展の為には日本がリーダーシップを発揮する必要がある」と強調するだけである。
彼はいわゆる『自虐史観』との決別を前提にした教育改革も打ち明けた。これは憲法改訂と同じく、彼が強調して来た教育基本法改訂を通じて愛国心を涵養しようという主張に通じる。これに対して日本キリスト教教壇の笹淵昭平牧師は、「自国の愛国は当たり前の事なのに、政治家が更に愛国心を強調するのは何か他の目的がある」とし、「戦前の日本に戻るのではないのかと心配だ」と憂慮した。
(以下略)
http://news.naver.com/news/read.php?mode=LSD&office_id=143&article_id=0000039231
>彼から歴史認識など韓国からの問題提議に対する理解は伺えない
眼中に無いだけ。