八栄八恥「反愛国は恥辱」 中国
新たな道徳宣伝、活発化
中国で新たな道徳規範とされる「八栄八恥(八つの栄光と八つの恥辱)」の宣伝運動が活発化している。中国共産党の幹部昇進の基準となるほか、小中学校での必須カリキュラムに組み込まれる予定だ。ただ、「祖国を愛する」「人民に奉仕する」など、これまでも散々言われてきた陳腐な内容だけに、来年秋の第十七回党大会を控えて、最高指導者の胡錦濤・国家主席の政治基盤固めとの見方も出ている。(相馬勝)
新華社電などによると、八栄八恥は胡主席が今月十三日閉幕した国政助言機関、人民政治協商会議(政協)で、若者や党幹部らの新たな道徳規範として提唱した。
愛国や法順守など八つの行為を「栄光」とし、その反対の反愛国的行為や無知蒙昧(もうまい)など八つの行為を「恥辱」とするなど、それぞれ栄光と恥辱が一対になっている。
胡主席はこれを中国の社会主義社会における是非や善悪などの新たな道徳規範として、「青少年を中心に学習していく必要がある」と強調し、中国の教育理念の根幹にすえる必要性を打ち出した。さらに、共産党や政府、地方自治体の各機関においても学習するよう主張している。
日本の文部科学省に当たる中国教育省の周済・教育相は八栄八恥を今後、必須科目として、小中学校の国語や歴史のカリキュラムに組み込むほか、高校や大学でも、重点学習の内容とする方針を打ち出している。党中央組織部でも各地の党機関に対して、学習活動と同時に、幹部を評価する重要基準の一つとして導入するよう通達した。
八栄八恥について、米紙ワシントン・ポストは北京の知識人のコメントとして、「社会主義でなくても、人間社会の基本的な生活規範で、ごくごくありふれた内容」と報じた。米国の反体制月刊誌「北京の春」の胡平編集長は「中国の汚職などの腐敗現象を念頭に置いたもの。来年秋の第十七回党大会を前に、胡主席が自身の政治的影響力の増大を目的とした一種の政治運動」との見方を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060328-00000028-san-int
日本じゃ「国を愛する」と入れるか入れないかだけで揉めるのになあ。