韓国の口蹄疫に戦々恐々
韓国で11月以降、口蹄疫(こうていえき)の感染が拡大し、殺処分対象の家畜は計約18万1000頭に達した。県内で今年発生した口蹄疫のウイルスは、韓国などアジアから侵入した可能性が高いとされており、県を中心に日本の畜産農家は不安を募らせている。(甲斐也智)
■韓国での再発
「やっと再建に取りかかろうという時なのに」。口蹄疫被害者協議会(約600人)の吉松孝一会長(54)は、隣国の発生状況が気になって仕方がない。
川南町で牛約500頭を飼育していたが、口蹄疫で全頭殺処分された。来年1月に家畜の飼育を再開するつもりだが、韓国での再発を受け、迷いも生じた。
農林水産省によると、韓国では県内より約3か月前の今年1月に発生。約5万頭の家畜が殺処分され、6月にいったん終息した。しかし11月29日、同国南東部の慶尚北道(キョンサンプクト)の養豚農家で発生。今月15日にはソウル近郊まで広がった。20日現在、発生は5市5郡の43農場(豚7、牛36)で、939農場の家畜が殺処分対象になっている。
■国内再発の恐れ
日本の畜産農家が敏感になるのには訳がある。農水省の検証委員会が先月まとめた最終報告書で、約29万頭が殺処分された県の口蹄疫について「アジアの発生国から人あるいは物を介し、侵入した可能性が高い」と指摘されたからだ。感染ルートの特定には至らなかったものの、宮崎空港と韓国・仁川(インチョン)との直行便(週3便)などによる人や物資の移動の可能性が取りざたされた。
17日、吉松さんら農家は県の農政水産部長らと面会し、防疫対策として、主要な交通網への消毒ポイントの常設などを要望。「国内の農家は戦々恐々としている。特に家畜を失った農家は、再発したらもうおしまいだ、とおびえている」と訴えた。
■様々な対策
不安の声を受け、宮崎空港ビルは、一般用の全出入り口と国際線の搭乗通路に、農家が使う靴底消毒用の強化マットを敷き、韓国語など4か国語で協力を求める看板も掲げた。消毒効果を上げるため、来月には長さ10メートルのマットも導入する。
また、修学旅行でソウルなどを訪問する予定だった県内の3高校は、旅行先を国内などに変更。県も、韓国人観光客が多いホテルやゴルフ場に消毒を呼びかける文書を配った。
福岡市の博多港国際ターミナルでは、韓国・釜山(プサン)との間を運航する高速船の下船用通路に消毒マットを常設。10年前に口蹄疫が発生した北海道では、家畜に異変が出た場合はすぐ届け出るよう、道内全農家に通達した。鹿児島県も急きょ、消毒方法などを記したパンフレットを作成し、今週中にも農家に配る。
(2010年12月22日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyazaki/news/20101221-OYT8T01064.htm
>県内で今年発生した口蹄疫のウイルスは、韓国などアジアから侵入した可能性が高いとされており
マスコミが言及したの初めてじゃね?